アマチュア野球内規
1.審判員がインプレイのとき使用球を受け取る
スリーアウトと勘違いした守備側が、使用球を審判員に手渡したのを審判員が受取った場合は、規則3.15を準用する。
審判員が使用球を受け取ると同時にボールデッドとし、受取らなかったらどのような状態になったかを判断して、ボールデッド後の処置をとる。また、ベースコーチが同様のケースで試合球を受け取った場合も、受け取ると同時にボールデッドとするが、走者はボールデッドになったときに占有していた塁にとどめる。(規則3.15)
2.アウトの時機
アウトが成立する時機は、審判員が宣告したときではなくて、アウトの事実が生じたときである。第三アウトがフォースアウト以外のアウトで、そのアウトにいたるプレイ中に走者が本塁に達するときなどのように、状況によっては速やかにアウトを宣告しなければならない。(規則4.09a【注1】)
3.最終回裏の決勝点
正式試合の最終回の裏かまたは延長回の裏に、規則7.07規定のプレイで三塁走者に本塁が与えられて決勝点になる場合には、打者は一塁に進む義務はない。
(規則4.09b、7.07)
4.二死、四球暴投、決勝点で打者一塁へ進まず
最終回の裏、走者三塁、打者四球(フォアボール)目が暴投または捕逸となって決勝点が記録されるとき、四球の打者が一塁へ進まなかった場合は、規則4.09(b)のように球審が自ら打者のアウトを宣告して、得点を無効にすることはできない。打者が一塁に進まないまま、守備側が何等の行為もしないで、両チームが本塁に整列すれば、四球の打者は一塁へ進んだものと記録される。
打者をアウトにするためには、両チームが本塁に整列する前に守備側がアピールすることが必要である。
(規則7.10(d)注2)。しかし、守備側がアピールしても、打者は一塁への安全進塁権を与えられているので、打者が気づいて一塁へ到達すれば、アピールは認められない。
守備側のアピールを認めて打者をアウトにする場合は、
イ.打者が一塁へ進もうとしないとき、
ロ.打者が一塁へ進もうとしたが、途中から引返したときである。
(規則4.09b、7.10d【注2】)
5.正式試合となる回数
審判員が試合の途中で打ち切りを命じたときに正式試合となる回数については、規則4.10 (c) に規定されているが、各種大会などでは、この規定の適用に関して、独自の特別規則を設けることができる。
大会によっては、一定以上の得点差、たとえば、5回10点差、7回以降7点差など、得点差によってコールドゲームとし、正式試合とする特別規則もある。(規則4.10c)
6.次回の第一打者
たとえば、二死、打者のボールカウント2-1後の投球のときに、三塁走者が本盗を企てたが得点とならないで攻守交代になったような場合、次回の第一打者を明らかにするため、球審は、 打者が三振でアウトになったのか、走者が触球されてアウトになったのかを明示しなければならない。(規則6.01b、6.05n)
7.オブストラクションの厳格適用
捕手または野手が、あらかじめ塁線上およびその延長線上の塁上に位置して(足または脚を置いて)送球を待つことを禁ずる。違反した場合は、オブストラクションとなる。(規則7.06a)
8.打者の背後にウエストボールを投げる
投手がスクイズプレイを防ぐ目的で、意識的に打者の背後へ投球したり、捕手が意識的に打者の背後に飛び出したところへ投球したりするような非スポーツマン的な行為に対しても規則7.07を適用し、走者には本塁を与え、打者は打撃妨害で一塁へ進ませる。(規則7.07)
9.アピールの場所と時期
守備側チームは、アピールの原因となった塁(空過またはリタッチの失敗)に触球するだけでなく、アピールの原因でない塁に進んでいる走者の身体に触球して、走者の違反を指摘して、審判員の承認を求める(アピール)ことができる。この場合、アピールを受けた審判員は、そのアピールの原因となった塁の審判員に裁定を一任しなければならない。
アピールは、ボールインプレイのときに行わなければならないので、ボールデッドのときにアピールがあった場合は、当該審判員は「タイム中だ」ということとする。(規則7.10)
10.ワインドアップポジションの投手
ワインドアップポジションをとった右投手が三塁(左投手が一塁)に踏み出して送球することは、投球に関連した足の動きをして送球したとみなされるから、ボークとなる。
投手が投球に関連する動作をして両手を合わせた後、再び両手をふりかぶることは、投球を中断または変更したものとみなされる。投球に関連する動作を起こしたときは、投球を完了しなければならない。(規則8.01a)
11.投球する手を口または唇につける
規則8.02(a)(1)のペナルティに代えて、審判員はその都度警告してボールを交換させる。(規則8.02a)
12.投手の遅延行為
走者がいるとき、投手が、投手板から軸足を外して、走者のいない塁に送球した場合、または、投手板上からでも軸足を投手板からはずしても、塁に入ろうとしていない野手に送球した場合には、投手の遅延行為とみなす。
(規則8.02c、8.05d、8.05h)
<施行>2011年2月日本アマチュア野球規則委員会